子どもの、【何でも口に入れる時期】が終わり、少し子どもから目を離せることもできるようになり、安心していませんか?
子どもは何にでも興味を持つ生き物です。大人の想像を絶する行動をしてくれます。
夜間の救急に来院する親子患者の事例をもとのお話していきます。
異物を耳や鼻に入れる時期は?
好奇心旺盛な子どもは小さい物をついつい興味を持って穴にいれようとしてしまうものです。
1歳~小学校入学前のお子さんくらいまでの年齢が多く、自分の耳や鼻の穴に異物を入れる可能性が高いです。
これは悪いわけだはありません。発達段階において、手先が器用になっていく中で穴という物に興味を持ち、そこに物を入れたらどうなるのか?想像が働きます。
決して悪いことではないのですが、人体に異物を入れてしまうと支障が生じます。ですが、子どもにはまだ危険予知能力ありありませんので、そこは親が危険回避を行ってあげなければなりません。
どのような物を入れるの?
一般的によく言われるのは豆類です。特にピーナッツが最も多いでしょう。パパママのお酒のつまみでテーブルの上に置かれた物を手に取って入れてしまう事例が多いようです。
そのほかにも、ビーズやBB弾、ちいさなどんぐり、ラムネや小さな飴。
果物の種、消しゴム、玩具の破片や一部の部品。
ピアス、ピアスのキャッチ、ボタン。
ある事例をお話します。
夜間の救急に慌てて受診してきた、3歳の男の子。
耳と鼻にボンドを入れてとのこと。処置がとてもとても大変でした。鼻は泣いて鼻水がたくさん出るのでボンドが少しずつ流れ出ましたし、鼻の穴が閉鎖するほどの量ではなかったので大丈夫でした。
問題は耳です。多量にボンドを入れており、かつ、中で乾いて硬くなっていました。耳の中に産毛がはえていますが、それにも絡みついてカピカピになっていました。
耳の中の異物が自ら出てくることはなかなかありません。そこから地獄の処置の始まりです。怖がる嫌がる子どもを押さえつけ、少しずつボンドをふやかせながら除去していきましたが、それはそれは時間がかかり、終わった時には親も子もへとへとになっていました。
また、その時に完全に取り除くことが不可能であったため、外耳道炎や中耳炎になる可能性があり、数日間が耳鼻科を受診することとなりました。
もし異物を入れてしまったら? ~耳~
耳の中に、異物を入れたら、入れた方の耳を下にして、トントンと片足けんけんを行ってみましょう。耳に水が入ったときに行うような感じの要領です。
もしそれで、出てこなかった場合は、あきらめて耳鼻科受診をしてください。
絶対にしてはいけないことは、見えるところにあるし、自分で取れそうと思い、綿棒や耳かきで取ろうする行為です。
異物がどんどん奥に入り込んでしまい、耳鼻科でも除去するのが困難になることがあります。
夜間や日曜日など、近医が閉まっている場合は、痛がってなければ、病院が開いてからの受診で問題ないと思います。
ですが、子どもが痛がっている場合は、夜間や休日でも、耳鼻科が当直を行っている大きい病院を探して受診を行うようにしましょう。
もし異物を入れてしまったら? ~鼻~
鼻に異物を入れてしまったら、まず鼻水を取る要領で、鼻をかんでもらいます。
異物が詰まっているのとは、反対側を押さえて、ふーーーっとかんでもらいます。
自分で鼻がかめない月齢のお子さんは、鼻水吸引機を使用し除去を試みてみましょう。
それでも、除去できない場合は耳鼻科の受診をおすすめします。
鼻の中は粘膜であり、非常に繊細です。ご自身で除去しようとすると、異物が奥に入っていく危険性があるのと同時に、鼻の粘膜を傷つけてしまい鼻血が多量に出てくる可能性あります。
もしも、鼻に入れた異物が、ラムネや飴などふやけたり溶けて柔らかくなる物でしたら、少し時間を置いて再度鼻かみを行ってみてください。ラムネや飴が柔らかくなって、入れた直後よりも出やす状態となっていることがあります。
まとめ
子どもは大人が想像することを超えて、いろいろな行動を行います。
以前は、お父さんが日々食べているフリスクを鼻に入れた子どもがいました。お父さんがケースを開けて食べていたので、それを日々見ており小さい子どもでもケースを開けることが出来たようです。
時には、耳にダンゴ虫を入れてしまったという子が受診してきたこともあります。耳の中でダンゴ虫が歩いていました。想像しただけで、ゾッしますが、子どもは危険を予測する能力がまだ不十分です。
生活する上で、危険が回避できるよう、生活環境を整えてみてください。
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