誰もが一度は経験するであろう、嘔吐下痢。
子供の嘔吐は予測できず、急な嘔吐による吐物処理でパパママの仕事を増やしたり、
頻回による下痢でおしりがかぶれたり、いろいろ悪循環なトラブルも続きます。
また、嘔吐下痢の時は何を食べさせたら良いの?食べさせるべきなの?という悩みも出てきますよね。
嘔吐下痢の原因は?
嘔吐下痢というのは世間一般でよく使われる表現で、医療的な用語で言うと、急性胃腸炎と表現されます。嘔吐下痢というのは、その名の通り、胃や腸に炎症が一時的に起きているということになります。
子どもの嘔吐下痢の原因の約8割は、ウイルス感染によるウイルス性胃腸炎です。残りの2割は細菌感染によるものや食べ物のアレルギーなどが考えられます。
また、非常にまれですが、腸重積という腸が重なりあって、おなかの動きや血流が悪くなり腹痛が生じる病気や、髄膜炎という頭の中にある髄膜に炎症を起こす病気などのケースがあります。
ウイルス性胃腸炎とは?
嘔吐下痢の原因の8割であるウイルス性胃腸炎には、2種類があります。
ロタウイルスとノロウイルスです。
どちらも、1~3日程度で治まります。
どちらのウイルスの感染か見分けるのは非常に難しいです。ただ、ロタウイルスは乳幼児のみに感染しやすいですが、ノロウイルスは大人にも感染しやすいという特徴があります。
また、どちらかというとロタウイルスの方が発熱しやすかったり、重症化しやすかったり、腸重積を起こすリスクがあります。
ロタウイルスに関しては、生後6週から14週で受けることができる任意のワクチンがありますので、経済的な余裕があるご家庭は、ワクチン接種をすることをお勧めします。
ロタウイルスのワクチンは注射によるものではなく、経口から接種するものであり、あまーーーいシロップで作られているワクチンですので、生後2か月の赤ちゃんでも吐き出すことなく、接種が可能です。
細菌による胃腸炎とは?
胃腸炎の多い原因最近には、大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクターピロリ菌などです。
その感染の原因は、生肉や生卵や加熱が不十分な生肉や生卵、汚染された貝、殺菌されていない牛乳やジュース、細菌を保持している動物、汚染された水(井戸や川、プールなど)を飲用した場合があります。
細菌を保持している動物としては、亀やトカゲなどの爬虫類、両生類であるカエル、鳥全般に、腸炎を引き起こす菌が潜んでいる可能性があります。
みなさん、サルモネラ菌という名前を聞いたことがありますか?卵の殻に付着している可能性があります。ですので、料理の時に、加熱していない卵の殻を触った場合には必ず手を洗いましょう。
また、下痢している犬や猫などからも感染しますので、ペットを飼っている場合は注意が必要となります。
ウイルス性細菌性の胃腸炎は、人から人へ移っていきますので、お子さんが吐物や汚物の処理を行うパパママにも容易に感染しやすいですので注意が必要です。
抗生物質で下痢するって本当?
細菌性の風邪などの時に、処方される抗生物質(化膿止め)の薬。これによって下痢することが多々あります。
その原因としては、抗生物質を内服することで、倒したい悪い菌だけではなく、腸内環境を整えてくれる、腸内に必要な菌までもを倒してしまい、下痢をしてしまうのです。
ですので、抗生物質を飲みだして、下痢が激しくなった場合は腸炎を起こしたのではなく、腸内環境が整っていない可能性が高いので、整腸剤を処方してもらってください。
嘔吐下痢をした時の対処法
嘔吐下痢の処理方法
嘔吐は予期せず、訪れます。大人だと、吐てもいい場所まで行けますが、子供は嘔吐を予測することもできなければ、訴えることも難しいことが多く、唐突に嘔吐します。
我が家の場合はペット用の使い捨て防水シーツを常備しています。それをセロハンテープでつなげて、頭~肩下くらいまでの広範囲に敷いて寝かせます。そうすることで、寝てるときに吐いても、その防止シーツを捨てるだけで処理が簡単です。
吐きそうという訴えができるようになったら、洗面器かバケツなどの容器にビニール袋をかぶせ、2枚ほどティッシュペーパーを入れたものを枕元に設置します。嘔気が出たら、そこに吐いてもらうようにします。
容器にティッシュペーパーをあらかじめ入れておく理由は、嘔吐した時の吐物の跳ね返りを防止するためです。
吐物は感染を広げる原因となりますので、極力捨てる処理のみで対応できるよう環境を整えることが大切です。また、100均などに、使い捨てのビニール手袋やゴム手袋が売られているので、それを常備しておき、吐物処理する際は、必ずその手袋を身に着け、処理が終わった後は、必ず手洗いと消毒を行うようにしましょう。
また、盲点として、子供の手や口の周りに、目には見えない吐物付着している可能性がありまので、子供の口や手も洗ってあげることをおすすめします。
下痢については、オムツの子供はこまめにオムツ交換を行ってあげ、おしりふきではなく、霧吹きなどでおしりを洗浄してあげることをおすすめします。また、自宅にワセリンがあるようでしたら、おしりに塗ってあげて皮膚がかぶれないような対策をとってあげてください。
トイレで排便できる子供は、排便をしてもらい、トイレットペーパーでおしりを拭く際、親が手袋をして拭いてあげるようにしましょう。また、トイレ終了のたびに、便座の消毒拭き取りをおすすめします。
もし、ご自宅にトイレが二つあるのであれば、感染している人用トイレと健康な人用トイレを分けて対策するという方法もあります。
また、手拭き用タオルを共有するのではなく、一人ひとりを分けることも感染防止対策の一つとなります。
嘔吐下痢の際の食事
嘔吐下痢の際の食事に関しては、原則発熱時の食事と変わりない対応で良いと思います。
発熱時の食事記事をまだ見ておられなければ、そちらをご参照ください。
簡単にまとめると、
食事は無理には取らせなくて良いです。むしろ、嘔吐下痢の時は、胃と腸をしっかり休ませてあげることも大切ですので、積極的な摂取は不要です。
ただ、水分だけは必ず摂取するようにしてあげてください。
赤ちゃんの場合は、母乳やミルクを飲んでくれるなら、それを摂取させてかまいません。
病院受診が必要なのはどんな時?
食事摂取ができるくらい元気があれば、特に病院受診は不要です。
食事摂取ができないが、水分摂取はこまめに出来ている場合も心配がいりません。
水分摂取が進まない時は、病院受診をおすすめします。
また、吐物や便に血が混じっている場合も早急に病院受診をしましょう。便に血が混じる場合は、赤い血だけではなく、黒い血が混ざる場合もあるので、赤色だけでなく黒い色が混じっていないかも気にかけてあげてください。
赤ちゃんの場合はもう一つ注意してほしいことがあります。便が茶色や黄色ではなく、白い便になっている場合です。ミルクや母乳で白っぽい色に傾くこともありますが、いつもに比べ、便が白っぽさが増している場合は小児科受診をしましょう。見分け方が分からない場合は、母子手帳の中に、必ず便の色を観察する写真が載っていますのでそちらを参照ください。
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